自己啓発支援センター(R)
Self-Development Support Center



☆ライフプランから始める本気の自己啓発を支援します☆


所長 釼地邦秀
Kenchi, Kunihide



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開設(2014年6月22日)

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自己啓発の進め方>第4章:自己啓発プラン...ライフプランに沿った自己啓発プランの設計

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【はじめに】

ここでは「自己啓発プラン」の作り方について事例を用いながら説明していきます。具体的には、自己啓発目標の見つけ方、目標設定の方法、実行計画の作成などについて丁寧に説明します。


【付記】

(1)
このサイトではライフプランから始める自己啓発を勧めています。まだ「プロローグ」を読んでいない方は最初に「プロローグ」をお読み下さい▶[プロローグ]へ

(2)
会社主導の自己啓発については[目標管理や会社主導の自己啓発において目標を見つけるヒント]も参照してください。▶[本文へ]

(3)
ライフプランを考慮せず自己啓発に取り組みたい方は、拙著『自己啓発の事例と自己啓発の進め方』を参照して下さい。会社主導の自己啓発(目標管理における自己啓発目標の設定)にどう取り組むか、その方法についての説明もあります。

hyoushi_jpeg.jpg[▶内容紹介]へ

(4)
【事例紹介】_自己啓発の事例、自己啓発目標の例についてはコーナー[自己啓発百科]の中にあるページ[自己啓発の事例紹介]も役に立つと思います。資格取得の事例・専門職を目指した事例・独立を果たした事例、それに会社主導の自己啓発事例(たとえば事務職の自己啓発事例)など、さまざまな事例を紹介していますので必要に応じて参照して下さい。▶[自己啓発の事例紹介]へ



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【目次】

1.ライフプランと自己啓発プランの関係 ▶[本文]へ

2.自己啓発目標の探索 ▶[本文]へ

3.自己啓発目標の評価決定 ▶[本文]へ

4.人生目的→人生目標→自己啓発目標の体系的確認(図表-8)、および「私の決意表明」 ▶[本文]へ

5.自己啓発目標達成手段の決定(図表-9) ▶[本文]へ

6.ライフプランと自己啓発プランの統合(図表-10,11) ▶[本文]へ

7.実行計画の作成 ▶[本文]へ

8.実行計画表の作成(図表-12) ▶[本文]へ




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1.ライフプランと自己啓発プランの関係

ライフプランが完成したら、いよいよ「自己啓発プランの作成」です。ライフプランを作成した時には「人生目的」→「人生目標」という流れで考えてきました。人生目的を達成するための方法が人生目標であったわけです。この章ではその「人生目標」に「自己啓発目標」を関連づけていきます。つまり、人生目標に整合性の取れた自己啓発目標を探索し、選択・決定していくのです。具体的には、自己啓発目標の探索、自己啓発目標の評価決定、自己啓発目標達成手段の決定、ライフプランと自己啓発プランの統合、実行計画表の作成といった手順で進めていきます。




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2.自己啓発目標の探

まずは自己啓発目標の候補を探索します。絞り込み決定する前の段階ですから漏れのないように広く探索して下さい。自分自身でも良く考えましょう。すでに人生目的・人生目標を定めた方は、すでにいくつかの自己啓発目標候補が浮かんでいるかもしれません。進め方も基本的には人生目的・人生目標の探索方法と同じになりますが、念のために「自己啓発目標探索のヒント」と「Aさんの探索事例」を紹介しておくことにします。


2-1.自己啓発目標探索のヒント

(1)
決定した人生目標を念頭に置きながら自分自身で考えてみます人生目的と人生目標が決定している場合には、ほとんどこの方法で探索出来ると思います。自己啓発目標の候補項目が自然に浮かんでくることも多いでしょう(*)。

*[自分の人生、このまま行ったらどうなるか_ワークシート]も参照してください。▶[本文へ]

(2)
会社も自己啓発の場として考えることが出来ます(*)。このサイトでは「自己啓発とは自分の意思により、さらに成熟した自己を目指すこと」と定義しています。ですから、自分の意思であれば会社での自己啓発も「あり」なのです。担当業務についての自主的な業務改善はもちろんですが、その他にも提案制度やOJTに積極的に取り組んだり、セミナーへの派遣制度・通信教育の受講支援制度を活用することも出来ます。さらには、新規プロジェクトへの参加、未経験の職場への配転希望、海外出張・海外勤務・社費(国内・国外)留学の申請など、自己啓発に活用できそうな場面はいくつもあります。このように考えると、会社は「賃金支払いの対象になっている勤務時間内に費用会社負担で取り組める自己啓発の場」といえるかもしれません。改めてその活用を検討してみる価値はありそうです。

会社主導の自己啓発については[目標管理や会社主導の自己啓発において目標を見つけるヒント]も参照してください。▶[本文へ]


【付記】

ライフプランに連動させないで自己啓発目標を探索したい場合には以下を参照してください。


コーナー[自己啓発百科]の中にあるページ[自己啓発の事例紹介]▶[本文へ]


コーナー[自己啓発百科]の中にあるページ[自己啓発に役立つシート集]の項目[031: 目標を発見するためのセルフチェックシート]▶[本文へ]





2-2.Aさんの探索事例

◎人生目標「課長・部長への昇進」・「経理分野での昇格」・「税理士事務所の開設」を念頭において

Aさんは人生目標「課長・部長への昇進」について、「管理者セミナー」への参加や出勤前の「各種勉強会」への参加を思いつきました。他方、「経理分野での昇格」、「税理士事務所の開設」に共通する資格として「税理士」の資格取得がすでに念頭にあります。そこで関連の資格をさらに広く探索したところ以下のような資格が候補として浮かんできました。これらは、将来の税理士事務所の開設のみならず、現在の担当業務をとおした社会貢献にもつながると考えられます。

・ 税理士試験合格(税理士)
・ 公認会計士
・ 中小企業診断士
・ 社会保険労務士
・ 日商簿記検定(1級)

税理士はもともと念頭にあった資格ですが、公認会計士の資格も少し気に掛かったので実現の可能性を確かめてみようと思います。中小企業診断士は税務会計の専門資格ではなく経営コンサルタントとしての資格だという程度は了解しています。そして、「経営指導の出来る税務会計の専門家」という組み合わせがあるようにも思いました。同様に社会保険労務士についても税理士業務に役立つように思います。最後の日商簿記検定(1級)の資格は現在の自分にとっては一番取得しやすい資格です。「手始めに、この資格から挑戦してみようか...」とも思います。



◎人生目標「健康」を念頭において

Aさんは健康維持のために「スイミングクラブ」か「スポーツジム」への入会を候補として掲げました。費用と時間のことが少し気にかかりましたが、探索段階なので候補としてあげておくことにしたのです。人生目標「健康」の項目は「保留」状態ですので今後の検討過程において決定することになります。



◎人生目標「感性の向上」を念頭において

Aさんは「感性」も大切にしたいと考えています。「かさかさした人間」にはなりたくないのです。その観点から思い浮かべたのが人生目標「感性の向上」です。自己啓発の候補としては「陶芸教室」を考えています。一時期、短期間ではありましたが茶道教室に通っていたことがあり、それが切っ掛けで焼き物(陶磁器)に関心を持つようになったのです。いつの日にか、自分で作陶してみたいという思いは消えることがありませんでした。費用と時間が許せば作陶をしてみたいのです。その他にも候補として楽器演奏や水彩スケッチなども浮かんできました。しかし、自己啓発のメインは「税理士試験合格」になりそうなので、時間や費用のことも考えながら今後の検討過程において決定することにしました。



◎人生目標「家族の相互理解」を念頭において

Aさんは「家族の相互理解」を人生目標に取りあげました。人生目的である「幸せな家庭」を築くための基盤だと思うのです。出来るだけ家族と一緒の時間を持つことが大切だと感じています。それが出来ていないということではないのですが、なおいっそう相互理解を深め幸せな家庭を築いていきたいのです。自己啓発目標としては「家族とのコミュニケーション能力の向上」を、その達成手段としては「家族旅行」を考えています。家族旅行をコミュニケーションの「場」と考えて取り組めたら楽しいだろうと思うのです。





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3.自己啓発目標の評価決定

それではAさんの事例を引き継ぎながら、自己啓発目標の評価決定方法を説明してまいります。それを参考にして自分の候補項目を評価して下さい。大筋としては人生目標の評価方法と同じです。それぞれの自己啓発目標(候補)項目について「実現可能性」・「貢献度」・「取り組み意欲」・「総合評価」を判定したうえで、すべての項目を「最終総括表」にまとめます。必要に応じて「意思決定のポイント」を復習しておきましょう。




□□□ 【Aさんの事例】 □□□


◎自己啓発目標「管理者セミナー」と「各種勉強会」

■実現可能性
実現の可能性は十分ありますが「税理士試験合格」という目標で目一杯になりそうなので総合評価では「割愛」とするつもりです。「実現可能性:◎」。

■貢献度
貢献度はあると思います。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
取り組みたい気持ちはあるのですが、税理士試験に絞ります。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
「税理士試験合格」という目標で目一杯になりそうなので「割愛」することにしました。「総合評価:割愛」。



◎追加目標「業務改善」

ここでAさんは人生目標「課長・部長への昇進」に関して新たに「業務改善」という自己啓発目標を思いつきました。会社業務に直結する自己啓発目標の無いことが気に掛かっていたのです。「業務改善」であれば勤務中の時間で取り組めるので税理士試験対策のための時間を削らなくて済みます。「実現可能性:◎」・「貢献度:○」・「取り組み意欲:○」・「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「税理士試験合格」

■実現可能性
自分は経営学部だったので受験資格はあります。簿記・会計などの基礎事項も学習済みです。現在は経理を担当しており、このことも税理士試験に役立ちます。税務会計の分野は自分の性格に合っており受験勉強にも積極的に取り組めると感じています。事前の情報収集によれば税理士試験合格には5, 6年を予定することになりそうですが、出来れば45歳くらいまでには取りたいと考えています。

学習方法によっては相当の費用がかかるかもしれません。しかし、費用を理由に諦めたくはありません。なんとか遣り繰りをして(預金を下ろしてでも)学習費用を捻出し、資格を取得したいと思っています。同様に学習時間も最優先で捻出するつもりです。通勤時間、帰宅後の時間、休日の使い方はもちろん、睡眠時間も検討しなおすつもりです。状況によっては、「健康」のためのスイミングクラブ・スポーツジム、「感性の向上」のための陶芸教室も、時間や費用のかからない他の方法に置き換えたり割愛するかもしれません。自分の性格を考えると「税理士試験合格」の一点集中が良いと思っています。昇進・昇格に目標期限を設定しなかったのも、この「税理士試験合格」を最重点の自己啓発目標にしたかったからです。合格の可能性はあると判断しています。さらに言うならば、取り組み期間を延長してでも合格を目指します。「実現可能性:○」。

■貢献度
「貢献度」は非常に高い。というより、税理士試験に合格し税理士となることは税理士事務所の開設に必須の要件となります。「貢献度:◎」。

■取り組み意欲
先の「実現可能性」にも記しましたが、この「税理士試験合格」を最重点の自己啓発目標と考えています。取り組み意欲はとても高いです。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
迷うことなく選択します。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「公認会計士」

■実現可能性
公認会計士の資格は魅力的ではありますが自分にとっては合格が難しいと判断しました。よって、自己啓発目標には取り込みません。「実現可能性:×」。

■貢献度
「貢献度」は非常に高いです。ただし自分にとっては合格が難しいと判断しました。よって、自己啓発目標には取り込みません。「貢献度:◎」。

取り組み意欲
自分にとっては合格が難しいと判断しました。取り組み意欲は「低い」です。「取り組み意欲:△」。

■総合評価
以上の理由で割愛します。「総合評価:割愛」。



◎自己啓発目標「中小企業診断士」

■実現可能性
自分は経営学部の卒業であり、経理の仕事をしています。学歴・職歴からしても、この資格取得は実現の可能性があると思います。しかし税理士試験合格を目指して(今回は)一点集中で行くことにします。「実現可能性:○」。

■貢献度
税理士と中小企業診断士の両方の資格を持てば専門家としての幅も広がり事務所経営にも有益だと思います。したがって貢献度は高いでしょう。しかし税理士試験合格を目指して一点集中でいくつもりです。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
税理士試験に合格してから再検討します。「取り組み意欲:△」。

■総合評価
以上の理由で割愛します。「総合評価:割愛」。



◎自己啓発目標「社会保険労務士」

■実現可能性
実現の可能性は十分にあります。しかし、「税理士試験合格」に集中したいので今回は見送ることにしました。中小企業診断士の資格と共に、税理士資格取得後の挑戦目標になると思います。「実現可能性:◎」。

■貢献度
貢献度はあると思います。中小企業診断士資格と同様、この資格を持てば専門家としての幅も広がり事務所経営にも有益であることは了解しています。しかし、「税理士試験合格」に集中したいので今回は見送ることにしました。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
割愛するつもりですので「低い」です。「取り組み意欲:△」。

総合評価
以上の理由で割愛します。「総合評価:割愛」。



◎自己啓発目標「日商簿記検定(1級)」

■実現可能性
これは問題なく取得出来ます。しかしすでに税理士試験の受験資格はあるし、税理士資格と併せ持つ意味もほとんどありません。よって、これは選択しないことにします。「実現可能性:◎」。

■貢献度
「貢献度」はありません。すでに税理士試験の受験資格はあるし、税理士資格と併せ持つ意味もほとんどありません。「貢献度:×」。

取り組み意欲
取り組み意欲はありません。「取り組み意欲:×」。

総合評価
選択しません。「総合評価:割愛」。



◎自己啓発目標「スイミングクラブ」か「スポーツジム」

実現可能性
基本的にはどちらも実現可能です。ただし、(1)両方やるか、片方にするか、(2)時間はとれるか、(3)費用は捻出出来るかを検討しなければなりません。よく考えて取り組まないと時間不足・費用不足になってしまう可能性があります。まず、両方に取り組むのは時間的・費用的に無理であると判断しました。ですので、どちらか一方ということになるのですが、どちらかといえばスイミングの方をやりたいのです。全身運動になるし、爽快感もあり、楽しみながら取り組めそうな気がするからです。

ただし、時間と費用がどうしても気にかかります。税理士試験のための勉強時間は1時間でも多く取りたいし、スイミングスクールやジムへ支払う会費も税理士試験のための勉強に回したいという思いが消えません。無理をせずに(あれもこれもと欲張らずに)「税理士試験合格」を目指した一点集中にします。

その代わり、時間と費用のかからない方法を考えていくつもりです。たとえば、エレベータ・エスカレータを使わないとか、休日は(気分転換を兼ねて)ウォーキングをするとか、方法はいくらでも見つかると思います。健康は人生を歩んで行くための大切な基盤になることなので「それを諦めるのではなく、出来る限りの工夫をしていく」と自己確認しました。「自己啓発目標の達成手段」を検討する時に具体的な方法を探索します。「実現可能性:○」。

■貢献度
人生の基盤である健康の維持・増進に関わることですから、どちらも貢献はあると思います。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
意欲はあります。しかし税理士試験のことを考えると、日常生活の中での工夫になりそうです。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
「スイミングクラブ」も「スポーツジム」も割愛し、日常生活の中で行う健康維持にします。それにともなって表現を「健康維持」と変更し、総合評価を「選択」とします。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「陶芸教室」

実現可能性
基本的には実現可能です。しかし時間と費用のことが気がかりです。時間と費用は税理士試験の勉強に回した方が良いように思うのです。「実現可能性:○」。

貢献度
人生目標の候補である「感性の向上」には有益ですが、他の人生目標に関してはあまり貢献しないと思います。また、「健康維持」ほどには重要でもありません。時間と費用は税理士試験の勉強に回した方が良いように思うので割愛することにします。したがって、人生目標の候補である「感性の向上」も、この時点で割愛とします。感性の向上のためには今までどおり趣味としての音楽鑑賞を続けていきます。「貢献度:△」。

取り組み意欲
自己啓発目標としての取り組み意欲は低いです。「取り組み意欲:△」。

総合評価
以上の観点から、選択しないことにしました。「総合評価:割愛」。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」

実現可能性
これは十分に実現の可能性があると思っています。良好な家族関係を大切にしてきた両親がロールモデルになっており、妻も子供達も家族関係を大切にしていきたいと思っています。それらをベースにして「家族とのコミュニケーション能力の向上」に取り組んでいきます。具体的な方法としては「家族旅行」を考えています。1泊2日を2回、少なくとも1回はやりたいと思っています。  

ただ、1つ気になることがあります。それは仕事・自己啓発・家庭、この3者の間の”時間・金銭の配分”です。とくに”時間配分”が問題というか、課題になるような気がしています。もう少し踏み込んで言うと”自分の意欲の配分”といった方が適切かもしれません。「税理士試験合格」を自己啓発目標にした場合、仕事>自己啓発>家庭となってしまいそうな気がするのです。十分に注意して3者のバランスを確保していきたいと思っています。「実現可能性:◎」。

貢献度
これは大いに貢献すると思います。とくに、人生目標「家族の相互理解」に対しては直接的に貢献します。旅行計画も家族と話し合いながら決めていくつもりです。帰ってからの思い出話も含め家族旅行の全体をコミュニケーション能力向上の「場」として活用していくつもりです。「貢献度:◎」。

取り組み意欲
取り組み意欲は大いにあります。「取り組み意欲:◎」。

総合評価
迷わずに選択します。「総合評価:選択」。




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4.人生目的→人生目標→自己啓発目標の体系的確認、および「私の決意表明」

それでは最後に人生目的→人生目標→自己啓発目標の体系的確認をしましょう。そうすれば、今までの作業全体の整合性を再確認出来ますし、この作業自体がきっとあなたの取り組み意欲を高めることと思います。なぜならば、あなたが絞り込んだ自己啓発目標は人生目標を経由して人生目的に連なっていることを自覚出来るからです。思いつきの自己啓発目標ではなく、あなたのライフプランの重要な構成要素になっていることを自覚出来るでしょう。したがってこの作業は「自己動機づけ」として機能し、三日坊主を防止することにつながるのです。


4-1.Aさんの事例
図表-8はAさんの自己啓発目標(最終総括表)です。あなたも作成してみて下さい。



 図表-8 【自己啓発目標(最終総括表)-Aさんの事例】
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4-2.「私の決意表明」を書いてみよう

人生目的の探索・決定から始めて、ついに自己啓発目標が決定しました。ですので、ここでもぜひ「私の決意表明」を書いてみましょう。他人に見せるものではありません。自分自身の動機づけのためです。シミュレーションの時と違って、今度は予想される阻害要因はなるべく書き込まないようにします。「きっと実現出来る!」と自己暗示をかけるように書きます。もし、阻害要因に触れなければならない場合には必ず対応策も付記し、その阻害要因を乗り越えられるようなストーリーにしておきます。すでにシミュレーションをしてありますので容易に出来るでしょう。この決意表明文を書くことによって、きっと自己啓発への意欲が高まります。ぜひ取り組んでみて下さい。参考までにAさんの決意表明文を例示しておきます。自分で工夫したタイトル(あるいは副題)を付けても良いと思います。文末には作成年月日を入れて、サインをしておきましょう。縮小して手帳に貼り込んでおき毎日(朝晩)目を通したり、落ち込んだ時の活力剤としても使えます。


【付記】

目標管理や会社主導の自己啓発における「決意表明文」の書き方については[自己啓発百科>自己啓発に役立つシート集>020:「決意表明文」の書き方_(ガイドシート)を参照してください。▶[本文]へ


【私の決意表明-Aさんの事例】
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5.自己啓発目標達成手段の決定
ここまでの検討作業によりAさんは「業務改善」、「税理士試験合格」、「健康維持」そして「家族とのコミュニケーション能力の向上」を自己啓発目標と決定しました。そこで次にAさんは業務改善の「手段」を考え、税理士試験に合格するための「手段」を探索しなければなりません。 同様に健康を維持し家族とのコミュニケーション能力の向上を図っていくためにはどんな「手段」があるかを探索し、選択・決定していくことになります。

税理士試験の受験対策であれば、市販の参考書を使った独学で取り組むのか、 通信教育にするのか、通学コースを選ぶのか、といったことです。加えて、勉強のための時間とお金のやりくりなども考えていかなければなりません。 「人生目的」、「人生目標」、「自己啓発目標」の次は「自己啓発目標の達成手段」を探索し、選択・決定するのです。 そのための手順は人生目標や自己啓発目標の時と同じです。具体的な方法はAさんの事例を続けながら順次説明してまいります。



5-1.自己啓発目標達成手段の探索

まず、決定した自己啓発目標を実現するために必要な自己啓発目標達成手段の候補を広く探索します。自分で考える、インターネットで検索してみる、単行書や雑誌を参考にする、資料やカタログを取り寄せてみる、経験者の話を聞いてみるなど、自分の自己啓発目標に対応させながら広く探索して下さい。もちろん、ここまでのメモの中に活用出来る情報があれば、それらも活用します

なお、この段階では達成手段の厳密な評価はしません。とにかく手段を広く求めることが肝要です。評価・絞り込み作業の前段階ですので、漏れのないように探索しておきたいのです。以下にはAさんの記入事例を掲げておきますので参考にして下さい。





□□□ 【記入事例-Aさんの場合】 □□□




◎自己啓発目標「業務改善」の達成手段について

これはとくに改めて手段を探索する必要を感じません。日常業務の場面で問題点を発見し改善していくつもりです。当初は月2件以上とし、様子をみながら徐々に目標件数を増やしていこうと考えています。



◎自己啓発目標「税理士試験合格」の達成手段について

学習方法については、(1)市販の参考書を使った独学、(2)資格専門学校の通信教育、(3)資格専門学校への通学(平日夜間+土日)を候補に掲げました。



◎自己啓発目標「健康維持」の達成手段について

ここまでの検討で健康維持は日常生活の中で工夫することにしてあります。時間も費用も「税理士試験合格」のために使いたいとの思いからでした。このことについては現時点でも「これで良い」と再確認しています。そこで、日常生活での健康維持を意識してみると、雑誌などをとおして、いろいろな人がいろいろな工夫をしていることが分かってきました。たとえば、エレベータ・エスカレータを使わない、エスカレータには乗るがその上を歩いて登る、電車に乗っても坐らない、1つ前のバス停で降りて帰宅するといった方法です。その他にも、休日はウォーキングをする、入浴前に体操をする、就寝時の床の中で腹筋運動をする、朝は床の中でストレッチをしてから起床するなどなど、時間・費用のかからない方法はいくつもあります。要は自分の体力や勤務条件・生活条件に合った方法を見つけ出していくことだと思っています。ただし、健康は人生を歩んで行くための大切な基盤なので、許される条件の中で出来る限りの工夫をしようと決心しました。その結果、手段の候補として以下の3つを掲げました。(1)エレベータ・エスカレータの使用禁止、(2)入浴前の体操、(3)在宅日のウォーキング。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」の達成手段について

このことについては、すでに念頭にあった家族旅行を含めて以下のような候補を検討することにしました。(1) 家族旅行(年2回、日帰りか1泊2日)、(2)家族との外食(月1回)、(3)家族とのコミュニケーション能力向上に関する本を読む(1ヶ月に1冊)、(4)コミュニケーション能力向上のセミナーに参加してみる。



5-2.自己啓発目標達成手段の評価決定

自己啓発目標を実現するための達成手段を広く探索したあとは、それら自己啓発目標達成手段の評価をし、適切と判断した手段を選択して決定します。それではAさんの例示を引き継ぎながら、候補項目の評価方法を説明してまいります。それを参考にして自分の候補項目を評価して下さい。大筋としては人生目標や自己啓発目標の評価と同じ手順になります。すなわち、それぞれの自己啓発目標達成手段候補項目について「実現可能性」・「貢献度」・「取り組み意欲」・「総合評価」を判定していきます。





□□□ 【Aさんの事例】 □□□




◎自己啓発目標「業務改善」の達成手段候補項目「日常業務の中で実施する」

■実現可能性
思い浮かぶ問題はありません。しいて言えば気持ちを切らさないことだと思っています。「常に問題意識を持って仕事をしよう」という思いです。「実現可能性:◎」。

■貢献度
貢献度はあります。ただし、月2件程度から始めようと考えているので「◎」ではなく「○」のレベルと判定しました。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
取り組み意欲はあります。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
「総合評価:選択」。




自己啓発目標「税理士試験合格」の達成手段候補項目「独学」

■実現可能性
独学はあまり自信がありません。よほど自分がしっかりしていないと途中で挫折してしまう確率が高いと考えています。受験独特のコツのようなものも会得しにくいし、情報交換や励まし合う仲間も得られません。全体として考えるとデメリットの方が多いと思っています。 なによりも途中での挫折の確率が高いので実現の可能性は低いと判断しました。「実現可能性:×」。

■貢献度
仮に途中での挫折なく受験まで漕ぎ着けても合格に対する貢献度(修得レベル)はそんなに高くならないような気がします。「貢献度:△」。

■取り組み意欲
途中での挫折の可能性や励まし合う勉強仲間を得られないのであまり取り組み意欲は湧きません。「取り組み意欲:△」。

■総合評価
どう考えてもデメリットの方が多いので、この方法は選択しないことにします。「総合評価:割愛」。




◎自己啓発目標「税理士試験合格」の達成手段候補項目「資格専門学校(通信教育)」

■実現可能性
通信教育の実現可能性はそこそこあると思います。教材があり課題の提出期限もあります。テストや添削もあるし、質問も出来ます。真剣に根気強く取り組めば修了は可能だと思うのです。ただし、出来ることなら通学したい、とうのが本音です。「実現可能性:○」。

■貢献度
受験対策講座なので独学よりは貢献度は高くなるでしょう。しかし、通学講座には及ばないと思います。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
以上の検討結果から取り組み意欲は低くありませんが、通学を第1希望として考えていくことにします。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
なんとか通学出来そうな気がするので割愛とします。「総合評価:割愛」。




◎自己啓発目標「税理士試験合格」の達成手段候補項目「資格専門学校(通学)」

実現可能性
この手段は最重点項目ですので念を入れて検討します。

[時間の観点から]
まず時間ですが、「合格までに必要な期間」と「学習時間」の両面から検討しました。合格までの必要期間は5年計画としました。平均的に5,6年かかるという情報があったことと、5科目なので1科目1年で5年位というのがその理由です。税理士事務所の開設はまだまだ先のことであり、期間的には十分すぎるくらいの余裕があるのですが、あまり余裕を持たせずに期間を切って挑戦した方が気合いが入ると考えてのことです。次に学習時間ですが、通学コースの情報を収集したところ平日夜間の授業に2日出席し、そのうえで土日のうちの1日を使えば合格レベルの学習が可能であると分かりました。この学習プランなら自分にも可能です。日曜日は自由に使うことが出来るので「家族の相互理解」という人生目標に沿った時間の使い方も出来ます。「家族の相互理解」や「健康維持」を犠牲にする気はないので、それらに悪影響が出そうな場合には6年計画あるいは7年計画に延長するつもりです。もちろん仕事はきちんと遂行したいと思っているので、勉強のための時間は受講時間を中核において日曜・祝祭日、早起き早朝学習、通勤車中の活用などで補おうと思っています。有給休暇は何かの時の”保険”と位置づけ、学習計画には織り込まないことにしました。

[費用の観点から]
費用は相当かかります。授業料はもちろんのこと書籍代も随分とかかるでしょう。でも、「費用がかかるので...」という発想はしていません。逆に、毎月の預金額を減らしたり、止めたり、さらには預金を崩すことまで覚悟しています。かりにそういう事態になっても妻は快く同意してくれると思っています。

[仕事の観点から]
会社の仕事を疎かにする気はありません。生活の糧は会社から得ているのですから仕事はきちんと遂行したいと思っています。その意味もあって「業務改善」という自己啓発目標を設定しました。ただし、職場の仲間との飲み会は3回に1回ていどになるかもしれません。付き合いが減る分は勤務時間中のコミュニケーションでカバーしていこうと思っています。

[家族の観点から]
「家族の相互理解」は人生目標の1つですから疎かにすることは出来ません。時期をみて家族によく話をし、協力を得なければならないと思っています。現状ではまったく不安は感じていません。皆が納得して協力してくれると思います。

[健康の観点から]
この観点からも大きな不都合はありません。勉強のために少しは睡眠時間を減らすことになるかも知れませんが極端に削る気はありません。身体を壊しては本末転倒だと思っています。状況次第では取り組み期間を延長してでも健康を大切にするつもりです。

[その他のチェック項目]
その他のチェック項目としては以下の2つが浮かんできました。

(1)子供の進学費用
(2)親の介護

子供の進学費用については、ある程度の蓄えがあるので大丈夫です。親の介護は何時どのような形で生じるか予想がつきません。考え出しても切りがないことなので、「精一杯の介護をする」という気持ちを再確認してそれ以上具体的に検討することは止めました。

[合格体験記!]
さらに情報を収集していくと勇気づけられる合格体験記が見つかりました。会社勤務をしながら合格した人の体験記の中に、「簿記論と財務諸表論の2科目を、平日夜間2日の通学と土曜日の通学を組み合わせて学習し、初年度でこの2科目に合格した。日曜日は学習時間には組み込まなかった」という学習モデルが紹介されていたのです。まさに私のプランどおりであり、勇気が湧いてきました。会社勤務はきちんとしたい、家族との団らんの時間も持ちたい、学習についてはある程度の強制力を組み込んでおきたい、身心のバランスを保つために少しは息抜きもしたい、と考えていくと自分にぴったりです。

さらに、勤務の都合で欠席した時の救済措置(再受講や映像学習)もあることが分かったので、十分やっていけそうです。通信講座と違い、通学なので学習強制力も働きます。そこで、初年度には平日夜間2日と土曜日の組み合わせで簿記論と財務諸表論の2科目に挑戦しようと思います。「実行計画」で具体化する予定です。
最後に、ライフプランとの整合性や通学開始後の障害の有無も検討しましたが(つまりシミュレーションをしましたが)、現時点で対処すべき問題は無いことを確認しました。以上を総合し、実現可能性については大変高いと判断しました。「実現可能性:◎」。


□□□ 【ミニヒント】 □□□

「合格までには平均的に5,6年かかる」、「平日夜間の授業に2日出席し、 そのうえで土日のうちの1日を使えば科目合格が可能である」といった情報を入手したかしないかでは実現可能性の評価は大きく変わることでしょう。重要な項目については、とことん調べたうえで熟慮・決定しましょう

□□□




■貢献度
税理士試験に合格するためには資格専門学校に全日通学するのが理想的ですが会社勤務があるので「平日夜間の授業2日+土日のうちの1日」という学習方法を選択しました。資格学校の説明資料によれば「会社勤務のある人のために設けてあるコース」で、 このコースの受講で5年から6年かければ十分に合格可能とのことでした。よって、貢献度は高いと判断しました。「貢献度:◎」。

■取り組み意欲
以上のことが整理・確認出来ただけでも、かなりやる気になっています。取り組み意欲は大いにあります。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
迷うことなく、選択します。「総合評価:選択」。


【付記】
ここで例示した内容は「仮設例」です。実際の税理士試験受験計画を参考にはしてありますが実例ではありませんのでご承知おき下さい。【引用・参考資料】 (1)TAC株式会社編著(2013) 『2013年度版 合格の秘訣 税理士試験』 TAC出版. (2)国税庁HP 「税理士試験情報」.



◎自己啓発目標「健康維持」の達成手段候補項目「エレベータ・エスカレータの使用禁止」

■実現可能性
実現可能性にはまったく問題ありません。「実現可能性:◎」。

■貢献度
階段の上り下りは結構きついので、健康維持には効果があると思っています。なお、4階以上は負荷が大きすぎ、時間のロスにもなるので使用禁止の対象から外すことにします。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
あります。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
選択します。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「健康維持」の達成手段候補項目「入浴前の体操」

■実現可能性
以前やっていたサーキットエクササイズを復活させるつもりです。まずラジオ体操をやり、次に「腹筋→その場足踏み→スクワット→その場足踏み→腕立て伏せ→その場足踏み」というエクササイズに取り組みます。1種目30秒、1周3分を3セットです。全体の所要時間は15分位ですので実現性は十分あります。「実現可能性:◎」。

■貢献度
やると気持ちが良くスッキリするので効果はあると感じています。「貢献度:◎」。

■取り組み意欲
じつは以前にも取り組んだことがあるのですが、何回も三日坊主を繰り返していました。今度こそは自己啓発プランに組み込んで継続する決心です。3日、1週間、2週間、1ヶ月というように中間目標を立て、最終的には“習慣”にしようと思っています。家族全員が目にするリビングのカレンダーに実施記録「○」・「△」・「×」を記すつもりです。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
健康維持の中核にしようと考えています。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「健康維持」の達成手段候補項目「在宅日のウォーキング」

■実現可能性
時間帯は決めない方が続けられそうに思っています。30分~1時間ほど、気分転換を兼ねて取り組むつもりです。「実現可能性:○」。

■貢献度
ウォーキングの効果は周知のことです。ただし、週に1回ほどになりそうですので、健康維持の中核はサーキットエクササイズになります。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
十分あります。「取り組み意欲:○」。

■総合評価
選択します。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」の達成手段候補項目「家族旅行(年2回、日帰りか1泊2日)」

■実現可能性
このことについての実現可能性は100%です。仕事との関係も、時間や費用についても大きな不都合はないからです。家族と相談しながら「年2回、日帰りか1泊2日」の旅行をぜひ実現したいと思っています。旅行の期間を楽しむだけではなく、 「旅行プランの作成」を共通の話題にして家族とのコミュニケーションを豊かなものにしていくつもりです。「実現可能性:◎」。

■貢献度
貢献度は高いと思います。旅行中はもちろんのこと、旅行の準備段階や帰宅後にも会話が弾むと思っています。「貢献度:◎」。

■取り組み意欲
とても楽しみです。日頃の仕事や受験勉強を離れた気分転換にもなります。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
この旅行は家族とのコミュニケーション能力を向上させるための「場」という位置づけです。迷うことなく選択します。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」の達成手段候補項目「家族との外食(月1回)」

■実現可能性
家族旅行を補うものとして掲げた手段です。月に1回というのは少ないようにも思いましたが、まずは確実なところからスタートします。「実現可能性:◎」。

■貢献度
十分あると思っています。「貢献度:◎」。

■取り組み意欲
楽しみです。取り組み意欲は十分です。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
家族との外食を自己啓発の手段に取り入れるのは一般的ではないかもしれませんが、自己啓発の1つの「場」として考えた方法ですので、自分としてはこれで良いと思っています。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」の達成手段候補項目「家族とのコミュニケーション能力向上に関する本を読む(1ヶ月に1冊) 」

■実現可能性
あまり無理をしても長続き出来ないので1ヶ月に1冊としました。仕事の上でも役に立ちそうです。昼休みなどの空き時間を充当して少しずつ読むつもりです。「実現可能性:◎」。

■貢献度
本を読むだけでは駄目だと思っています。本を読んで実行してみて、さらに別の本を読んで確認・修正をし、また実行してみるという取り組みにします。「貢献度:○」。

■取り組み意欲
関心のあるテーマなので取り組み意欲はあります。「取り組み意欲:◎」。

■総合評価
選択します。「総合評価:選択」。



◎自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」達成手段候補項目「コミュニケーション能力向上のセミナーに参加する」

■実現可能性
税理士試験対策としての通学があるので、費用と時間の観点からセミナー参加は難しいと判断しました。 「実現可能性:△」。

■貢献度
貢献度はあります。「貢献度:○」。

取り組み意欲
取り組み意欲は、あまりありません。「取り組み意欲:△」。

■総合評価
割愛とします。「総合評価:割愛」。




Aさんの自己啓発目標達成手段(評価結果)

図表-9はAさんの評価結果をまとめたものです。あなたも「自己啓発目標達成手段(評価結果)」を作成してみましょう。



図表-9 Aさんの自己啓発目標達成手段(評価結果)

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6.ライフプランと自己啓発プランの統合

それではここでライフプランと自己啓発プランを統合します。Aさんの記入事例を2種類紹介します。1つは今までに更新しながら使ってきた評価表による「統合表」の形式です。2つ目は「体系図表」の形式で、人生目的から自己啓発目標の達成手段までの整合性(つながり)が分かるようにまとめる方式です。あなたに都合の良い方式を採用して下さい。もちろん別の様式で自作しても構いません。




□□□ 【記入事例-Aさんの事例】 □□□



Aさんの「統合表」と「体系図表」は図表-10と図表-11のように完成しました。あなたもライフプランと自己啓発プランの統合をして下さい。「統合表」は必要十分な情報を記載出来るので、ぜひお作り下さい。必要に応じて「体系図表」も作成してみましょう。


図表-10 【Aさんの統合表】

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図表-11 【Aさんの体系図表】

体系図-b.jpg

LinkIconAさんの体系図表_pdf





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7.実行計画の作成

自己啓発プランの最後は「実行計画」の作成ですが、最初に2つほど確認しておきたいことがあります。それは実行計画の「必要性」および「5W2H」との関係です。



7-1.実行計画の必要性

自己啓発目標とその達成手段が決まったら実行計画に具体化するのですが、「実行計画」はなぜ必要なのでしょうか。あなたをじらすようで申し訳ないのですが少しの間お付き合い下さい。必要性を納得してから取り組んでいただいた方が、あなたの「取り組み意欲」も「実行計画の品質」も、さらには「実行率・達成率」も高まると思うからです。



◎「計画の作成には自己動機づけの機能がある」

「目標の明確化」と「適切なる目標難易度の設定」、および「達成期限の設定」は目標達成への取り組み意欲を促進します(*1)。このことは我々の経験に照らしても納得出来るところです。かくして、これらを含む実行計画の作成は自分自身を動機づけることになるのです。

まず「目標の明確化」ですが、 曖昧な目標よりは明確な目標の方が取り組み意欲を高めます。たとえば、「なるべく頑張ってやろう」と思った時と「○○を達成目標値にして頑張ろう」と決めた時とでは、あなたのやる気のレベル(とくに、投げ出さないで頑張り続ける意欲)に違いがあったことと思います。目標は出来るだけ数値で決めましょう。それが無理な場合には箇条書きでも良いです。すこしでも明確になるような工夫をして下さい。

「目標の難易度」も自己動機づけに大きな影響があります。ポイントは「おかれた条件の中で自分自身の達成意欲が一番高まるレベルと期限で設定する」ことです。人によって目標レベルの設定方法は変わります。 たとえば、明らかに達成出来ないほどの高い目標を掲げて一歩でもそれに近づこうとする人、条件や自己の能力などを冷静に判断しそれに対応した目標設定を設定する人、自分の能力よりやや高めの目標設定をする人、 五分五分の達成確率で目標設定する人、理想的な目標値と必達目標値の二本立てにする人などがいます。 繰り返しになりますが、 おかれた条件の中で自分自身の達成意欲が一番高まるレベルと期限で設定して下さい。 目標の難易度は目標値のレベルだけではなくて達成期限の長短からも影響を受けます。目標の難易度を検討する時には両睨みが必要になるのです。ちなみに私の場合は両方を考慮に入れて達成確率70%を基本原則にしています(*2)。100%の達成確率を目指していると、いつまでたっても意思決定ができないからです。「残り30%の不確実な部分は工夫と努力で乗り切る」と覚悟を決めて決定します。自分が一生懸命に工夫と努力をしていると、助けてくれる人も出てきますし、 いわゆる「ツキ」に恵まれることも多いです。

さらに、「達成期限の設定」も自己動機づけに大きな影響があります。それは我々が日々実感していることです。




【付記】

(*1)
ゲイリー・レイサム(著)・金井壽宏(監訳)・依田卓巳(訳)(2009) 『ワーク・モティベーション』 NTT出版 pp.99-107, 110-124, 259-260.

(*2)
「意思決定のポイント-4a」で紹介した「7:3の原則」のことです。必要に応じて復習して下さい。



◎「着手後の問題を想定して事前の対策を取れる」

問題解決の極意は「問題を起きないようにする」ことだと思います。実行計画の作成はそのための有効な一手段なのです。 つまり、「実行計画の作成過程で、将来発生しそうな問題を予測し対策を考えておく」のです。このあとの「実行計画作成の注意点」でも説明しますが、実行計画が完成したらそのスケジュールに沿ってシミュレーションをします。そうすると実行計画の遂行過程で起きそうな問題を予測することが出来ます。したがって、その問題が起きないように計画を修正するとか、問題が起きた時の対策をあらかじめ用意しておくことが可能になるのです。さらにこれら一連の作業は目標達成確率の向上を自覚させるので、自己動機づけにも大変有効です。



◎「進行状況および結果の確認が出来る」

実行計画を持つことにより適切な「振り返り」が可能になります。自分で自分の実行状況を振り返るのですからセルフチェックと言っても良いでしょう。計画を立て(plan)、実行し(do)、設定した期日に振り返り(check)をするということです。進行状況の確認はもちろん、不十分な結果を見直し、次の計画で改善して行くことが出来ます。上手くいった時も同じです。それを次の計画に再活用していくことが出来ます。場合によってはさらに工夫を加えて、より良い方法として取り込んでいくことが出来るかもしれません。

なお、進行状況の確認については計画の段階で「中間の進度チェックの日」を設定しておくのが有効です。こまめに進度チェックをすると遅れを早目に発見することが出来、修復の時間や手間は少なくて済みます。反対に、「予定どおり」ということであれば、「よし! この調子でいこう!」となるでしょう。自己動機づけになるのです。実行計画には「中間の進度チェックの日」を必ずセットしておきましょう



◎「三日坊主の防止に有効」

すでに説明したように、実行計画を創ることは、同時に自己動機づけをしていることになります。したがって「三日坊主」の防止にとても有効なのです。このことは、自ら計画を作成し、それに沿って自己啓発に取り組んでいる自分と、計画無しで取り組んでいる自分とを想像しながら比較していただいてもお分かり頂けると思います。面倒がらずに適切な実行計画を作成して頂きたいと思います。




☆目標・計画、そして実行☆





7-2.実行計画と5W2H

ビジネスの世界ではよく「5W1H」とか 「5W2H」を活用しますが、以下においては「実行計画作成」の観点から「5W2H」の説明をしておきます。なお、これらのチェック項目は相互に関連をもっており、What(何を)・When(いつまでに)・ How(いかにして)やるかといったように、並行して考えなければならないことも少なくありません。



◎1つめは「What(何を)」です
「何を目標にするのか」、「目標値をどの位に設定するのか」を明らかにすることになります。自己啓発の実行計画に目標項目や目標値が設定されていない状態を想像するのは不可能といって良いでしょう。ごくごく当たり前のことであり、必須項目中の必須項目です。目標項目をどのように決定するか、目標値をどのレベルに設定するかは自己動機づけの観点からも大変に重要な作業です。When(いつまでに)、How(いかにして)と並行して検討することも少なくありません。


◎2つめは「When(いつ)」です
何時までに目標を達成するか、その期間を決める、期限を設定する作業です。われわれが仕事で良く使う「納期」と同じです。自分で自分を動機づけ、目標の達成率を高めるという観点からはこれも外せない必須項目です。私は社員研修などで「締め切りのない仕事は仕事ではありません。それは趣味です」と言うことがありますが、自己啓発への取り組み意欲を高めたかったら「期限」は必須の要件になります。趣味ならば、気の向いた時、時間の余った時に楽しめば良いわけです。中断や中止も「OK」ですし、目標未達成でも問題はありません。ですが、われわれは「本気で取り組む自己啓発」を念頭においています。自己啓発目標は人生目標につながっているのです。「達成」を念頭において取り組まなければなりません。何時までに目標を達成するか、その期間を決める、期限を設定する作業は必須の要件になります。

なお、長期間を要する目標の場合には中間目標(値)を設定し、「中間の進度チェック」を組み込んでおきましょう。繰り返しになりますが、こまめに進度チェックをするということは遅れを早目に発見することになるからです。修復の時間や手間は少なくて済みます。反対に、「予定どおり」ということであれば、「よし! この調子でいこう!」となるでしょう。自己動機づけになるのです。長期間の取り組みとなる実行計画には中間目標(値)と「中間の進度チェックの日」を必ずセットしておきましょう



◎3つめは「Why(なぜ)」です
なぜ自己啓発に取り組むのかを考える項目ですが、これは明快です。このサイトでは各自の「人生目的の実現のため(の一方法)」と位置づけています。ライフプランから始める自己啓発です。人生目的→人生目標→自己啓発目標→達成手段という体系に沿って考えてきました。しかも「人生目的はあなた自身で決めた、あなた自身の人生目的」です。借り物の人生目的ではなく、自分自身が納得した人生目的、それに向かっての人生目標と自己啓発目標という位置づけになるわけです



◎4つめは「Who(誰が)」です
これは行為の主体の確認になります。「誰が...」ということです。自己啓発の主体は本人自身ですので、とくに説明は要らないと思います。誰の為でもない、自分の為の自己啓発なのです。その結果として、人様の役に立てれば言うこと無しです。どうか「主体的」に取り組んで下さいますように。必要に応じて職場の人たちや家族なども考慮に入れます。



◎5つめは「Where(どこで)」です
自己啓発の「場」を考える項目です。すぐに浮かんでくるのは「自宅」、「職場」、そして外部の「研修会場」でしょう。抽象的な場を考えるならば、「通信教育」も一つの場と言えるかもしれません。「How(手段)」との関連を意識しながら、設定した自己啓発プランにもっとも相応しい場を探索し設定していくことが大切になります。



◎6つめは「How(いかにして)」です
どのようにして目標を達成するか、その手段・方法を用意する作業です。目標項目が決まり、目標値が決まり、期限が設定されても、いかにして達成するかの手段が決まっていなければ事は成就しません。これも必須の項目です。



◎7つめは「How much(いくらで)」です
目標達成に要する費用のことです。必要な費用を見積もり、その手当の可能性を検討し、予算化し、実施段階に入ってからは適時に予算との照合を行います。





7-3.「実行計画書」の作成

引き続きAさんの事例で説明していきます。Aさんは先に掲げた図表-10【Aさんの統合表】を参照しながら、5W2Hの足りない部分を補って「実行計画書」を完成させました。以下の説明事例を参考にして、あなたも「実行計画書」を作成してみて下さい。事例のような文章形式ではなくて、箇条書きにしても良いですし、表形式でも良いと思います。




【Aさんの実行計画書】

(1)自己啓発目標「業務改善」の達成手段候補項目「日常業務の中で実施する」について

1つめは「What」です。「何を目標にするのか」、「目標値をどの位に設定するのか」を明らかにします。Aさんは自分自身の職掌範囲内の業務改善について月に2件以上と設定しました。すこし少ない気もしますが達成確実な水準から始めることにしたのです。2つめは「When」です。何時までに目標を達成するか、その期間を決める、期限を設定する作業です。Aさんは1年単位の更新制としました。1年ごとに振り返りをして、改善すべきは改善しながら継続していくつもりです。3つめは「Why」です。なぜ自己啓発に取り組むのかを考える項目です。これは明快です。図表-11 【Aさんの体系図表】にも示したように、人生目的→人生目標→自己啓発目標→自己啓発目標達成手段という体系に沿って考えた項目です。4つめは「Who」です。これは行為の主体の確認になります。自分自身ですので、とくに説明は要らないと思います。5つめは「Where」です。自己啓発の「場」を考える項目です。もちろん会社が「場」となります。6つめは「How」です。どのようにして目標を達成するか、その手段・方法を用意する作業です。まずは現状の問題点を洗い出し、改善の対象となる問題を選定し、その原因分析から対策へと進めて行きます。ずっと先のことになるでしょうが今ある問題の解決ではなくて、新たな課題を設定して取り組む創造的な業務改善も視野に入れています。



(2)自己啓発目標「税理士試験合格」の達成手段候補項目「資格専門学校(通学)」について

1つめは「What」です。最終目標は「税理士試験合格までの通学」(5カ年計画)。今期の目標は「簿記論」と「財務諸表論」の通学受講、および税理士試験(簿記論・財務諸表論)の合格です。2つめは「Where」です。まずは、通学する予定の「T資格専門学校」の授業を学習の中核に据えます。その他に、「自宅」、「通勤電車内」などを考えています。会社では一切やりません。仕事に専念します。3つめは「When」です。何時までに目標を達成するか、その期間を決める、期限を設定する作業です。5年間で全5科目合格が目標です。試験は例年8月。専門学校の標準コースは9月開講~翌年7月です。最初の年の5月~8は予習を含む受講準備期間とします。人生目標である「家族の相互理解」や「健康」を犠牲にする気はないので、それらに悪影響が出そうな場合には6年計画あるいは7年計画に延長するつもりです。有給休暇は何かの時の”保険”と位置づけ、学習計画には織り込まないことにしました。4つめは「Why」です。なぜこの目標に取り組むのかを考える項目です。これは明快に決まっています。税理士試験に合格して税理士の資格を取り(自己啓発目標)、税理士事務所を開設するためです(人生目標)。税理士事務所の開設は社会貢献(人生目的)へと連なっていきます5つめは「Who」です。これは行為の主体の確認になります。自分自身です。6つめは「How」です。A氏はT資格学校での具体的な受講方法を決めなければいけません。そこで、受講曜日、受講時間などを検討して今年度の達成手段を計画しました。平日週2日の夜間通学および土曜日の全日通学を中核として、それ以外の平日帰宅後および通勤時間帯も活用します。起床時間を早めての学習は計画に入れず(予備の時間として)空けておくことにしました。7つめは「How much」ですが、費用は、なんとか遣り繰り出来そうです。妻の了解も取りました。



(3)自己啓発目標「健康維持」の達成手段候補項目「エレベータ・エスカレータの使用禁止」・「入浴前の体操」・「在宅日のウォーキング」について

1つめは「What」です。Aさんは次のように設定しました。(1)通勤時・勤務中など外出先では原則としてエレベータ、エスカレータは使わない(4階以上は除く)。(2)入浴前には15分ほどの体操をする。入浴前の体操については、自宅で出来る「サーキットエクササイズ」という運動メニューを活用します。「腹筋」→「その場足踏み」→「スクワット」→「その場足踏み」→「腕立て伏せ」→「その場足踏み」という組み立てで、1種目30秒、1周3分×3周≒10分というものです。エクササイズの前に準備運動としてラジオ体操をやることにします。そうすると合計で15分くらいになるのです。(3)休日には合計で1時間ほどのウォーキングをする。朝夕の2回に分けても良し、としました。2つめは「When」です。3項目とも一応1年間としますが生涯継続事項と考えています。3つめは「Where」です。通勤場面、勤務場面、在宅場面となります。4つめは「Why」です。人生目的(社会貢献・幸せな家庭)→人生目標(健康)→自己啓発目標(健康維持)→自己啓発目標達成手段という体系に沿った設定項目です。5つめは「Who」です。これは行為の主体の確認になります。言うまでもなく自分自身です。6つめは「How」ですが、「what」・「when」・「where」 で設定済みです。


(4)自己啓発目標「家族とのコミュニケーション能力の向上」の達成手段候補項目「家族旅行(年2回、日帰りか1泊2日)」・「家族との外食(月1回)」・「家族とのコミュニケーション能力向上に関する本を読む(1ヶ月に1冊)」について

1つめは「What」です。(1) 家族での旅行(年2回、日帰りか1泊 2日)。(2)家族との外食(月1回)、これは家族旅行を補うものとして掲げた手段です。月に1回というのは少ないようにも思いましたが、まずは確実なところからスタートします。(3) 家族とのコミュニケーション能力向上に関する本を読む(1ヶ月に1冊)。あまり無理をしても長続き出来ないので1ヶ月に1冊としました。通勤や昼休みの時間帯などを充当して少しずつ読むつもりです。2つめは「When」です。家族旅行と外食の日程はあえて決定しないでおきます。「準備の段階から家族で話し合って決めていこう」と考えているのです。家族の相互理解のためには、その方が良いと判断しました。3つめは「Where」です。旅行も外食も家族と話しあいながら決めていきます。Aさんにとっては家族とのコミュニケーション能力を高める実践訓練の場になります。4つめは「Why」です。言うまでもなく、ライフプランの実現のためです。つまり、家族とのコミュニケーション能力の向上(自己啓発目標)→家族の相互理解(人生目標)→幸せな家庭(人生目的)という体系に整合性をもった手段項目となっています。5つめは「Who」です。家族旅行と外食は家族と話し合って進めていきますが、主体は自分自身という意識で進めていきます。6つめは「How」です。when(いつ)、where(どこで)と重複するところがありますが、家族と話し合いながら決めていきます。その方が自分の訓練にもなるし「家族の相互理解」を深めることが出来ると判断しました。7つめは「How much」ですが、まったく問題有りません。





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8.実行計画表の作成

先の「実行計画書」は自己啓発目標の達成手段を5W2Hに沿って詳細に検討してまとめたものです。次には、それをもとにして取り組み日程の入った「実行計画表」を作成します。この実行計画表についてもAさんの事例を紹介しますので、それを参考にして自分の「実行計画表」を作って下さい。ただし事例にこだわる必要はありません。事例はあくまでも記入事例です。一応ブランクフォームをダウンロードできるようにしておきますが、自分の使いやすい、見やすいものを作成して下さい。


【付記】

第3章の6-1.「ライフプラン作成のポイント」で申し上げておきましたが、自己啓発プランについても取り組み開始後の「変更と中断」のことを考えておきましょう。たとえば、どのような状況になったら変更・中断するのか、変更・中断をした後はどうするのか、といったことです。それらのことについてあらかじめ考えておくと、取り組み後に状況が変わった場合、より適切に(継続・変更・中断の)意志決定が出来ます。




図表-12【Aさんの実行計画表】

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LinkIconAさんの実行計画表_pdf

LinkIcon実行計画表(ブランクフォーム)_pdf


かくして、Aさんは「ライフプランから始める本気の自己啓発」の準備を完了しました。あなたもぜひ「実行計画表」の作成に取り組んで下さいますように。心から期待しております☆ 

「実行計画表」が完成したら、つねに目に付くようにしておきましょう。私はデスクトップにショ―トカットを表示しておき、いつでも見ることが出来るようにしてあります。また、縮小して手帳にも挟んであります。一日に何回も見るので有効な自己動機づけになります。少なくとも1日2回、起床後と就寝前には見るようにしましょう。進捗状況を毎日確認するのです。遅れは少ない内に追いつくようにしましょう。

物事は思っているだけでは実現しません。ごく当たり前のことです。計画表を創っただけで目標が実現するということはないのです。あなたの計画表は、あなたが実行するために創るのですから、実行されなければ意味がありません。本気の自己啓発を考えているあなたには余計なことかもしれませんが、どうしても”実行”を強調しておきたいのです。


☆決めたら実行。実行無ければ成果無し☆




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自己啓発の進め方:目次

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プロローグ 本題に入る前の概要説明

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ここでは「ライフプランから始める本気の自己啓発」について、その全体像を紹介します。【目次】1.自己啓発の必要性/2.自己啓発の阻害要因/3.阻害要因を克服する方法/4.自己啓発の統合モデル5. 自己啓発プランの完成。

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第1章 運命観 運命は変えられるか

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ここでは「運命観」について自分自身の考えを整理・確認して頂きたいと思います。なぜならば、ライフプランや自己啓発プランは、さまざまな意思決定の積み上げによって創られ、その意思決定は、その人の運命観の影響を受けるものだからです。たとえば、「運命は変えられない」と考えている人と、「運命は変えられる」と考えている人とでは意思決定の仕方は変わるでしょう。【目次】1. 自己啓発と運命観/2. 運命という言葉の意味/3. 運命と人間の自由意思との関係/4. 運命と工夫・努力との関係。

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第2章 意思決定  意思決定のポイントを掴む

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ここでは「意思決定のポイント」を整理します。なぜならばライフプランや自己啓発プランはさまざまな意思決定の積み上げによって創られるからです。第1章の運命観の説明に整合性を持たせながら展開し、最終的には「意思決定のポイント」としてチェックリストの形に総括します。【目次】1. 自己啓発と意思決定/2. 「意思決定の意味」から導き出される意思決定のポイント/3. 「運命観」から導き出される意思決定のポイント/4. 「各ステージ」に共通する意思決定のポイント5. 意思決定のポイント(一覧表)。

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第3章 ライフプラン 人生目的と人生目標を定める

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ここでは「人生目的と人生目標の設定」について、その考え方、具体的な手順、最終的な確認の方法などを説明します。【目次】1.ライフプランは自己啓発の原点/2.人生目的の候補を探索する/3.人生目的を決定する4.人生目標の候補を探索する/5.人生目標を決定する/6.ライフプランの作成。

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第4章 自己啓発プラン ライフプランに沿った自己啓発プランの設計

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ここでは「自己啓発プラン」の作り方について、その考え方と方法を説明します。【目次】1.ライフプランと自己啓発プランの関係/2.自己啓発目標の探索/3.自己啓発目標の評価決定/4.人生目的→人生目標→自己啓発目標の体系的確認5.自己啓発目標達成手段の決定6.ライフプランと自己啓発プランの統合7.実行計画の作成/8.実行計画表の作成。

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第5章 実行 自分で自分をやる気にさせる

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自己啓発目標を達成するには「自分で自分をやる気にさせる」ことが肝要です。ここではそのポイントを紹介します。【目次】1.メメント・モリ/2.計画は手抜きをせずに作成する/3.人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画の関係を忘れない/4.「実行計画表」を自己動機づけに活用する/5.一日単位のP・D・S/6.振り返りを「習慣」にする7.自己啓発目標を目に付くようにしておく/8.ほんの少しで良いからやってみよう/9.出来たことに意識を向ける/10.目標を達成した時の自分をイメージしてみる。 

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第6章 振り返りとフィードバック 永続的な自己啓発を目指す

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最後は「振り返りとフィードバック」のステージです。1つの自己啓発目標への取り組みを終えたら(その達成度にかかわらず)振り返りをし、その結果を次の自己啓発に活かしていきましょう。それを繰り返すことによって、あなたの自己啓発能力を永続的に高めていくことが出来るのです。【目次】1.自己啓発目標の達成状況を判定する/2.振り返りとフィードバック。

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引用・参考資料/更新記録

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・ 釼地邦秀(2013) 『ライフプランから始める本気の自己啓発』 三恵社。
・その他。

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