自己啓発支援センター(R)
Self-Development Support Center



☆ライフプランから始める本気の自己啓発を支援します☆


所長 釼地邦秀
Kenchi, Kunihide



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開設(2014年6月22日)

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自己啓発の進め方>第5章:実行...自分で自分をやる気にさせる

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【はじめに】

人生目的の探索・決定から始めて人生目標→自己啓発目標へと整合性を確かめながら実行計画表を作成しました。いよいよ「実行」のステージに入ったわけです。何事もそうでしょうが「実行無ければ成果無し」です。ですから自己啓発目標を達成するには「自分で自分をやる気にさせる」ことが大切になります。ここではそのポイントを紹介します。題して「自分で自分をやる気にさせる10ヶ条」。あなたに合った方法もきっと見つかると思います*。

*[自己啓発百科>三日坊主の対策...自己動機づけの方法]も参照して下さい。▶[自己動機づけの方法]へ




【目次】

1.メメント・モリ ▶[本文]へ

2.計画は手抜きをせずに作成する ▶[本文]へ

3.人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画の関係を忘れない ▶[本文]へ

4.「実行計画表」を自己動機づけに活用する ▶[本文]へ

5.一日単位のP・D・S  ▶[本文]へ

6.振り返りを「習慣」にする(図表-13)  ▶[本文]へ

7.自己啓発目標を目に付くようにしておく  ▶[本文]へ

8.ほんの少しで良いからやってみよう ▶[本文]へ

9.出来たことに意識を向ける ▶[本文]へ

10.目標を達成した時の自分をイメージしてみる ▶[本文]へ





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1.メメント・モリ

人生目的のところで紹介した「メメント・モリ(死を想え)」です。私自身はこれが一番の原動力になっています。具体的には、無常を説いた般若心経を読誦したり、坐禅を組んだり、年末に遺書を書いたりしています。読経と坐禅は毎日やっています。そうすると「死を想いつつ、精一杯生きる」という気持ちが湧いてくるのです。「人生は一度切り」と思えば、人生目的・人生目標に整合した自己啓発にも真剣になります。*必要に応じて【復習】を参照して下さい。

山本有三氏は次のように言っています。「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうにかゞやかし出さなかったら、人間、うまれてきたかいがないじゃないか」。山本有三(1962) 『路傍の石』 新潮社 p.122.

土光敏夫氏は次のように言っています。「人間は宇宙の原理で生まれてくるわけだから、生まれてきた以上、各自がこの自分の一生をどう生きるかを真剣に考えるべきだろう。このことだけはいっておきたい。自分の一生だもの、二回ないんだからね」。土光敏夫(2009) 新装版『土光敏夫 信念の言葉』 PHP研究所 p.17.

「ひとの生(しょう)をうるはかたく、やがて死すべきものの、いま生命(いのち)あるはありがたし。ただ今日、まさに作(な)すべきことを熱心になせ。天命の下(もと)で人事を尽くし、人事を尽くして天命を待つ」。これは私の人生指針となっている言葉です。「一日一生。今日という日は2度と無い。自分の人生も1回きり。今日の一日を自分の一生と思い定めて生きよう、自己啓発に取り組もう」という気持ちです。私は経営学研究科の出身ですが、伝統寺院で修行をしたあと、正規の院生として1年半ほど仏教系の大学院に学びました。その結果、空観(くうがん)を是(ぜ)とするに至った次第です。そのうえで、この言葉を自戒の言葉としています。*出典は【引用・参考資料】を御覧下さい。




【復習】
メメント・モリ(memento mori)」とはラテン語で「死を想え」という意味です(*1)。内容が重いので一番最後にもっていくことも検討したのですが、「実行」のためにはどうしても最初に紹介しておきたいのです。出来る限り簡潔に説明しますので少しの間お付き合い下さい。

この言葉は、ペストが蔓延し、生が刹那的・享楽的になった中世末期のヨーロッパで盛んに使われたラテン語の宗教用語です。私は、これ(死を見つめること)が自己啓発の原点だと申し上げたいのです。死を想うことによって、生を真剣に考えるようになるからです。たとえば、日本IBM・常務取締役の経験を持つ井上富雄氏は新聞に掲載された有名人の死亡告知記事を切り取ってスクラップ・ブックをつくり、折に触れてそれに目を通し人生意識(精一杯生きようという意識)を呼び起こしたと記しています(*2)。土光敏夫氏は毎日、早朝と就寝の前に法華経を読誦(どくじゅ)していました(*3)。ネスレ日本社長兼CEOの高岡浩三氏は父親も祖父も42歳で亡くなったので自分も42歳で死ぬと覚悟を決め、人生を逆算して生きてきたと述べています(*4)。

私は「五薀皆空(ごうんかいくう)、桜花たるべし」と手帳に書き込んであります。「心身はすべて空なのだから、桜の花のように精一杯生きよう!」という意味で使っています。1日1回はそれを見ます。「五薀皆空」は代表的な仏教経典である般若心経の一節です。さらに、就寝の前には般若心経を読誦したあとに坐禅をします。そのうえで明日の予定を思い浮かべながら床に就くのです。そうすると気持ちの整理がつき明日への希望が湧いてきます。私は実在したゴータマ・シッダッタ(*5)という人間が説いた教え(仏教)を宗教哲学的な観点から捉え、人生を歩んでいくための拠り所としています。私の人生観や人生目的の根底を支えている大切な教えです。

このように死あるいは空(くう)を思うことによって、ライフプラン(人生目的+人生目標)や自己啓発プランについて真剣に考えるようになり、実行力も高まるのです。たとえば、行きつけの本屋の棚に、今まで気が付かなかった本を見出すようになります。そのような過程の中から自分の人生目的・人生目標・自己啓発目標を創り出せるのです。「自己啓発目標が見つからない」、「目標を絞れない」、「三日坊主で終わってしまう」といった悩みも自ずと解消し、「時間が足りない、お金が足りない」と言う代わりに、「時間を生み出し、お金を遣り繰りする」方法を考えるようになります。本気で自己啓発に取り組もうというのであれば「メメント・モリ(死を想え)」を避けては通れないと思います。


【注】
*1.
田辺元(昭和39年) 『メメント・モリ」 『田辺元全集』(第13巻) 筑摩書房 pp.163-175. および、藤原新也(2008) 『メメント・モリ』 三五館 序.
*2.
井上富雄(1994) 『人生設計・ライフワークの原理・原則』 総合法令 pp.51-52.
*3.
土光敏夫(2009) 『土光敏夫 信念の言葉』 PHP研究所 p.26.
*4.
高岡浩三(2013) 『逆算力』 日経BP社 「はじめに」より.
*5.
ゴータマ・シッダッタ(Gotama Siddhattha)とは古代インドの言語(パーリ語)による釈迦の姓名です(ゴータマが姓、シッダッタが名)。中村元(2007) 『中村元選集(決定版) 第11巻 ゴータマ・ブッダⅠ』 春秋社 p.85.



【引用・参考資料】

「ひとの生(しょう)をうるはかたく、やがて死すべきものの、いま命あるはありがたし」は『法句経(ほっくきょう)』にある偈(げ)です。「偈」とは仏教の真理を詩句の形で述べたものです。*友松圓諦(2005) 『法句経』 講談社 p.125.および、中村元(訳)(1999) 『ブッダの真理のことば感興のことば』 岩波書店 p.36.

「ただ今日、まさに作(な)すべきことを熱心になせ」は『中部経典(一夜賢者経)』にある偈(げ)です。*増谷文雄(2005) 『仏教百話』 ちくま書房 pp.202-203. 

「人事を尽くして天命を待つ」は胡寅(こいん)という人の書いた『読史管見(とくしかんけん)』にある言葉です。*「座右の銘」研究会(2011) 『名言』 里文出版 p.81.




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2.計画は手抜きをせずに作成する

自己啓発目標への取り組みは、それが望むものであればあるほど早く開始したいと思うものです。そのため我々はしばしば「そこそこの計画を立てただけで」取り組みを開始してしまいます。その結果、予想外の障害に出会ったりすることが少なくありません。すべての計画は念入りに検討しましょう。以下においては特に大切な要点を復習しておきます。

<目標設定のポイントを確認する>
計画作成時における「目標の明確化」と「適切なる目標難易度の設定」は目標達成への取り組み意欲を促進します*。このことは我々の経験に照らしても納得出来るところでしょう。まず「目標の明確化」ですが、曖昧な目標よりは明確な目標の方が取り組み意欲を高めます。他方、「目標の難易度」も自己動機づけには大きな影響があります。ポイントは「おかれた条件の中で自分自身の達成意欲が一番高まるレベルと期限で設定する」ことです。人によって目標の設定方法は変わります。たとえば、明らかに達成出来ないほどの高い目標を掲げて一歩でもそれに近づこうとする人、条件や自己の能力などを冷静に判断しそれに対応した目標設定を設定する人、自分の能力よりやや高めの目標設定をする人、五分五分の達成確率で目標設定する人、理想的な目標値と必達目標値の二本立てにする人などがいます。また、目標の難易度は目標値のレベルだけではなくて達成期限の長短からも影響を受けます。目標の難易度を検討する時には両睨みが必要になります。繰り返しになりますが、おかれた条件の中で自分自身の達成意欲が一番高まるレベルと期限で設定して下さい。

<実現可能性のチェック(シミュレーション)を忘れない>
実現可能性のチェック(シミュレーション)を忘れないようにして下さい。一応の計画が完成したら取り組み開始以降の展開を想定しながら、発生しそうな障害を予想し、計画の修正や事前の障害対策を練っておくのです。シミュレーションは「転ばぬ先の杖」なのです。現実的にはチェックに投入出来る時間は限られてくるでしょうし神経質になりすぎてもいけませんが、多少時間がかかっても出来る限り念入りにチェックしたいものです。自己啓発のプロセス全体を念頭におくならば、その方が生産的であることが多いからです。計画段階では必ずチェック(シミュレーション)をしましょう。「くどい」、と言われそうですがとても大事なことなのです。必要に応じて「意思決定のポイント-4c」:(必ずシミュレーションをしてみる)を復習して下さい。



*【引用・参考資料】

「目標」については多くの研究があり結論も一定ではありませんが、「目標の明確化」と「適切なる目標難易度の設定」の有効性はほぼ支持されています。*ゲイリー・レイサム(著)・金井壽宏(監訳)・依田卓巳(訳)(2009) 『ワーク・モティベーション』 NTT出版 pp.99-107, 110-124, 259-260).




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3.人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画の関係を忘れない

このコーナー「自己啓発の進め方」では、ライフプラン(人生目的+人生目標)に整合性を持たせながら自己啓発プラン(自己啓発目標+実行計画)を設計しています。つまり、人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画→実行という展開になるわけです。したがって、あなたは「人生目的」を定め、それに整合性を持たせて「人生目標」を決め、さらにその「人生目標」に整合性を持たせて「自己啓発目標」を決めたはずです。その関連を忘れないで自己啓発に取り組んで下さい。とくに逆方向の関連、実行計画の実行→人生目標の達成→人生目的の達成を忘れないようにしましょう。そうするときっと自分自身を継続的に動機づけることが出来ます。




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4.「実行計画表」を自己動機づけに活用する

人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画の内、とくに「実行計画表」(図表-12)はつねに目に付くようにしておきましょう。自己動機づけの有効な素材として「実行計画表」を活用するのです。たとえば、壁に貼ったり、縮小して手帳の「しおり」代わりにしたり、パソコンのデスクトップにショートカット(アイコン)を置いたりと、いろいろな工夫が出来ると思います。「統合表」(図表-10)や「体系図表」(図表-11)と併用すると、なお良いと思います。

計画は実行するために創るものです。実行しない計画では意味がありません。一日一回は「実行計画表」を見て進度チェックをしましょう。その作業自体が自己動機づけになるのです。




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5.一日単位のP・D・S

Pは(Plan:計画)、Dは(Do:実施)、Sは(See:振り返り)です。このコーナー「自己啓発の進め方」が勧める手順に従って実行計画を作成したあなたは月単位の計画までを完了させていることと思いますが「日々の実行計画」も忘れないようにして下さい。なぜならば、日々の計画の遂行が週間計画の遂行に結びつき、週間計画の遂行が月間計画・年間計画の遂行につながっているからです。

私は長期計画~月間計画までをパソコンで管理し、週間計画と毎日の計画を手帳で管理しています。まず、就寝前に一日の振り返りをし、手帳の週間計画を確認・修正します。そのうえで、翌日の計画(為すべきこと)を手帳からポストイットに書き写して見開きの反対ページに貼っておきます。当日は優先度・重要度に従って処理し、完了した項目を横線で消していきます。この作業を繰り返しながら週間計画(時には月間計画)の確認・修正を行うのです。毎日のこの作業自体が翌日への取り組み意欲を高めてくれます。





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6.振り返りを「習慣」にする

振り返りについてですが、それをぜひ習慣にして頂きたいのです。理由は以下のとおりです。(1)毎日、計画遂行状況を確認するということは1日単位での計画修正が可能になるということです。1週間に一度、あるいは1ヶ月に一度の振り返りと比べてみればその有効性は容易に想像出来るでしょう。一般に計画は遅れがちになりますので、早めに小刻みに進度チェックをするのはとても大切なことになります。(2)予定どおり進めることが出来た場合には達成感を味わうことが出来、自己啓発への取り組み意欲が高まります。不十分な結果に終わった時には(良い意味で)自責の念を感じることができます。(3)したがって、「振り返り」を毎日繰り返すことは三日坊主の対策にもなるのです。

私は手帳を使っています。「図表-13」がそのイメージですが、毎日やると決めたことが常時3項目ほどあります。表頭(ひょうとう)部分のアルファベットがその省略表記です(人に見せる物ではないので暗号のようになっています。たとえば[ZZ]は坐禅のことです。[TW]はポストイットに書き出した項目(その日やるべきこと)の全体を意味しています。表側(ひょうそく)は暦日とその日の総合評価欄になっています。やるべき項目については、予定どおり出来たら「○」、まったく出来なかったら「×」、中程度の場合には「△」を付けています。総合評価欄は「BST」と表記してありますが、これは「出来た/出来なかった」ではなく、今日一日ベストを尽くしたかどうかを「○・△・ ×」で記入します。つまり、計画どおり出来たかどうかという「成果」の評価と、今日一日、自分として精一杯の「工夫と努力」をしたかどうかの両面から評価しているのです。この方式は30代から続けています。めったにないことですが、1つの項目でも3日連続で「×」が付くと自責の念に駆られ、「明日こそは!!」という気持ちが湧いてきます。私にとっては有効な三日坊主防止策になっています。




図表-13 私のセルフチェック方法
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7.自己啓発目標を目に付くようにしておく

「実行計画表」を壁に貼ったり、縮小して手帳に挟み込んでおくのも有効な方法ですが、「自己啓発目標」を目に付くようにしておく方法もあります。私は現在このサイトの開設を目標にしていますが、開設のために購入したソフトの空箱を仕掛かり棚に置いてあります。椅子に坐ったままで手の届く処(したがって目に付く処)に仕掛かり棚があるので、そこにその空箱を置いているのです。そうすると、一日に何回となく目にすることになります。見るたびに「決めた日までに開設しよう!」と思います。

話を続けます。中小企業診断士になるための受験勉強をしていた頃の話です。皆さんには笑われそうですが、先輩が持っていた中小企業診断士のバッジをコピーさせてもらい、切り抜いて紙のバッジを作り手帳に貼っていました。手帳を開く度に目に入ってくるので自己動機づけにはとても効果がありました。

工夫と努力をして目標を達成した有名人の写真をインターネットで探し、パソコンの壁紙にしていたこともあります。パソコンを起動する度にその人が現れ、「お前も頑張れ!」と言うのです(そのように感じていました)。デジタルフォトフレームや携帯電話の待ち受け画面を活用しても良いと思います。

ぜひ自分なりの方法も考案して下さい。それによって、あなたに合った動機づけの方法(自分専用の動機づけの仕組み)を獲得することができます。いろいろと考えながら作っている時も楽しいですよ! 




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8.ほんの少しで良いからやってみよう

計画していた作業量・取り組み時間をさらに分割して取り組んでみるのも有効です。小さな単位だと取り組みへの抵抗が少なくなり手を付けやすくなります。あなたにも経験があるかもしれませんが、一度着手してしまうと、いつの間にか夢中になってしまうことも少なくありません。一口食べることで食欲が出てくるようなものです。気持ちが乗らない時には、ほんの少しでも良いからやってみましょう。「30分だけでもやってみよう」、「10ページだけでも読んでみよう」、「1回だけでもやってみよう」といった感じです。私はよく”短時間の復習”をします。気持ちが乗らない時にはすでに学習して理解している部分を復習するのです。取り組みへの抵抗が少ないですし、短時間でも出来ます。時にはそれが切っ掛けとなり、知らず知らずの内に夢中になってしまうことも少なくありません。自己啓発は、それを習慣にしてしまうことが理想です。そのためにもなんとかして中断を避けたいのです。短い時間の復習だけでも良いですから、かならず毎日続けるようにしましょう。


【付記】

(1)
フランソワ・ラブレー(François Rabelais)は『ガルガンチュワ物語』の中で「食慾は喰うにつれて来(きた)る...」と書いています。フランソワ・ラブレー(作) 渡辺一夫(訳)(1988) 『ガルガンチュワ物語』 岩波書店 p.45.

(2)
慶應義塾大学保健管理センター教授の大野裕氏は「最近の脳科学の研究から、何かをしようという私たちの気持ちは、自然にわき起こってくるわけではなく、少し行動をすることがきっかけになって、生まれてくるということがわかってきた」と言っています。日本経済新聞(2007, 1, 16). 

(3)
波正太郎氏は「その日その日に、先ず机に向かうとき、なんともいえぬ苦痛が襲いかってくる。それを、なだめすかし、元気をふるい起し、一行二行と原稿用紙を埋めてゆくうち、いつしか、没入することができる」と記しています。池波正太郎(1996) 『私の歳月』 講談社 p.239





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9.出来たことに意識を向ける

出来なかったことではなくて”出来たこと”に意識を向けましょう。それによって(再度)達成感を味わうことが出来、自己啓発への取り組み意欲を高めることが出来ます。ただし、「失敗に目をつむれ」ということではありません。失敗については、その原因を冷静に分析して必要な対策を取らなければなりません。申し上げたいのは、いつまでも失敗に引きずられないで欲しい、ということです。原因分析をし、対策を取ったならば、可能な限り意識を切り替えて欲しいということです。その場合にも、過去に成し遂げたこと(出来たこと)を想起すれば自信が蘇り、より早く切り替えが出来るでしょう。自己啓発に関することだけでなく、過去の出来事すべてを対象にして、「出来たこと、成し遂げたこと」を想起するのです。小さな達成や成功でも良いのです。立ち直りの切っ掛けを掴むのです。私はしょっちゅうやっていますが、いつも元気が出てきます。

過去の自分と比べてみる。私はこの方法もよく使います。過去の自分と現在の自分を較べるのです。自己啓発を始める前の自分と現在の自分を較べてみます。自己啓発を始めた1ヶ月後であれば、先月の自分と今月の自分を較べてみます。結果はおそらく3つでしょう。「結構成長した!」、「少し進歩したように思う...」、「ん―――、あまり変わってない」の3つくらいだと思います。いずれにしても、この作業はセルフチェックになりますので自然に「この先どうしようか」と考えるようになります。つまり、取り組み意欲を高めることが出来るわけです。ちなみに、私は自分を他人と較べることはほとんどありません。「君は君、我は我也。されど仲よき」という武者小路実篤氏の言葉も大好きです*。


*【引用・参考資料】

武者小路実篤作 「冬瓜と南瓜」(淡彩・墨画)の画讃。武者小路実篤記念館・収蔵品データベース(資料番号:A-J-049)。





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10.目標を達成した時の自分をイメージしてみる。

自分が立てた実行計画表を見ながら、目標が実現した状態をイメージするのです。中間目標を達成した時をイメージしても良いです。私事ですが、中小企業診断士の受験勉強をしていた頃には良くこれをやっていました。背広の襟に中小企業診断士のバッジを付けてセミナー講師をしている自分をたびたびイメージしたものです。

関連のアイディアとして、自分で自分に褒美を用意するのも有効です。たとえば、「中間目標を達成したら...」、「最終目標を達成したら...」というように、自分で自分に褒美を用意しておくのです。人からの褒美も嬉しいことですが、それは当てには出来ません。しかし、自分で自分に褒美をあげるのは100%実行可能です。しかも他人を当てにしないので、とてもすがすがしい思いで受け取ることが出来ます。自己動機づけのために私はこの方法を最大限に使っています。次の目標へのスプリングボード(springboard)にもなります。小さな中間目標の達成と音楽CDの購入をセットにしたり、大目標の達成と1泊2日のドライブ旅行をセットしたりします。ドライブ旅行はカメラを持っての一人旅ですが、私はそれが大好きなのです。

ただし目標達成時の本当の褒美は達成感です。CDの購入や小旅行は目標達成のシンボルという位置づけになります。取り違えないようにしましょう。




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自己啓発の進め方:目次

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プロローグ 本題に入る前の概要説明

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ここでは「ライフプランから始める本気の自己啓発」について、その全体像を紹介します。【目次】1.自己啓発の必要性/2.自己啓発の阻害要因/3.阻害要因を克服する方法/4.自己啓発の統合モデル5. 自己啓発プランの完成。

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第1章 運命観 運命は変えられるか

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ここでは「運命観」について自分自身の考えを整理・確認して頂きたいと思います。なぜならば、ライフプランや自己啓発プランは、さまざまな意思決定の積み上げによって創られ、その意思決定は、その人の運命観の影響を受けるものだからです。たとえば、「運命は変えられない」と考えている人と、「運命は変えられる」と考えている人とでは意思決定の仕方は変わるでしょう。【目次】1. 自己啓発と運命観/2. 運命という言葉の意味/3. 運命と人間の自由意思との関係/4. 運命と工夫・努力との関係。

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第2章 意思決定  意思決定のポイントを掴む

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ここでは「意思決定のポイント」を整理します。なぜならばライフプランや自己啓発プランはさまざまな意思決定の積み上げによって創られるからです。第1章の運命観の説明に整合性を持たせながら展開し、最終的には「意思決定のポイント」としてチェックリストの形に総括します。【目次】1. 自己啓発と意思決定/2. 「意思決定の意味」から導き出される意思決定のポイント/3. 「運命観」から導き出される意思決定のポイント/4. 「各ステージ」に共通する意思決定のポイント5. 意思決定のポイント(一覧表)。

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第3章 ライフプラン 人生目的と人生目標を定める

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ここでは「人生目的と人生目標の設定」について、その考え方、具体的な手順、最終的な確認の方法などを説明します。【目次】1.ライフプランは自己啓発の原点/2.人生目的の候補を探索する/3.人生目的を決定する4.人生目標の候補を探索する/5.人生目標を決定する/6.ライフプランの作成。

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第4章 自己啓発プラン ライフプランに沿った自己啓発プランの設計

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ここでは「自己啓発プラン」の作り方について、その考え方と方法を説明します。【目次】1.ライフプランと自己啓発プランの関係/2.自己啓発目標の探索/3.自己啓発目標の評価決定/4.人生目的→人生目標→自己啓発目標の体系的確認5.自己啓発目標達成手段の決定6.ライフプランと自己啓発プランの統合7.実行計画の作成/8.実行計画表の作成。

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第5章 実行 自分で自分をやる気にさせる

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自己啓発目標を達成するには「自分で自分をやる気にさせる」ことが肝要です。ここではそのポイントを紹介します。【目次】1.メメント・モリ/2.計画は手抜きをせずに作成する/3.人生目的→人生目標→自己啓発目標→実行計画の関係を忘れない/4.「実行計画表」を自己動機づけに活用する/5.一日単位のP・D・S/6.振り返りを「習慣」にする7.自己啓発目標を目に付くようにしておく/8.ほんの少しで良いからやってみよう/9.出来たことに意識を向ける/10.目標を達成した時の自分をイメージしてみる。 

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第6章 振り返りとフィードバック 永続的な自己啓発を目指す

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最後は「振り返りとフィードバック」のステージです。1つの自己啓発目標への取り組みを終えたら(その達成度にかかわらず)振り返りをし、その結果を次の自己啓発に活かしていきましょう。それを繰り返すことによって、あなたの自己啓発能力を永続的に高めていくことが出来るのです。【目次】1.自己啓発目標の達成状況を判定する/2.振り返りとフィードバック。

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引用・参考資料/更新記録

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・ 釼地邦秀(2013) 『ライフプランから始める本気の自己啓発』 三恵社。
・その他。

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